
東京でみた初めてみた益子の陶器は、粉引でした。粉引のなんとも言えない優しさと、日本の伝統的な繰り返し模様のようなしのぎ(削り)、すっかり心を惹かれました。益子の陶器市に行ってみようと思ったのも、今考えてみるとこの粉引に惹きつけられたことが大きかったように思います。
いざ益子の陶器市にいくと、陶器店のおじさまが、「茶色い土で形をつくり、白い化粧土で装飾する『粉引』は益子の人気の代表的な技法」だと他のお客様にお話ししていらしゃいました。
その話を聞き、やはり『粉引』はすばらしいと、粉引のお皿を何点か買い込みました!そのときのお皿が冒頭の写真のお皿です。日本の伝統的な菊の形にも心を奪われました。
暖かみがあって、陰翳礼讃!
『粉引』は、「粉を引いたように白い」という由来だそうです。白い化粧土の下に、茶色い土の存在が感じられるので、磁器などより温かみのある雰囲気がでやすいですし、菊型やしのぎがほどこされていると光と影で白に濃淡がでるので偶然の表情が楽しめます。光と影のある世界を好む、谷崎純一郎の陰翳礼讃の世界もすこしだけ味わえます。
陶器の表面を削る『しのぎ』で、白に陰影を!

『しのぎ』といって陶器の表面を削りもようをつけることでも、白に濃淡や陰影ができて表情がうまれます。粉引には『しのぎ』が施されることも多いです!
どこか柔らかく、優しい雰囲気! 化粧土
粉引など、白化粧土による装飾の陶器は、磁器や陶器でも釉薬だけの器とは違った、雰囲気や味わいがでます!ぜひ、毎日の生活に取り入れてみてください。